捨て色
調べ事をしていて壁にぶつかってモヤモヤしていたことが、
この記事のタイトル『捨て色』という用語。
商品開発や配色で使う用語なんですが、意味が2つあるんです。
① 目立たせたい、売りたい色を引き立たせるための色
② 商品にインパクトを与えるための個性的な色
どちらにも共通しているのは『売れると思って生産していない色』ということです。
「そんなの誰が買う(使う)の?」って色ですね。
ただ、意味は逆なんですよ。
①は色彩学における用語で、無彩色や彩度が低い色、アースカラー等が使われます。
②はマーケティング用語で、商品陳列の際のアイキャッチとして目立つ色を使います。
じゃあコストもかかるから無駄な色は作らなきゃいいやん、って話なんですが、
気付かないだけで実は人間心理を巧みに操っているんです。
①に関しては新商品、新色、売りたい色をより美しく魅せるためのものだったり、
物を選ぶ時には5色展開が購買意欲や選ぶ楽しみを増幅させる数字だそうで、
そのための数合わせとして補填するという意味合いもあるということです。
メイクだと5色くらいセットになっているアイシャドウなどありますが、
最後まで残ってしまう色、使い勝手が悪い色、それが『捨て色』の可能性が高いです。
②は商品に目を向けてもらうようにインパクトを与えるもので、
目新しさや呼び込みを期待するために作られています。
それによって自然と定番色の販売促進に繋がります。
広告、ディスプレイなどのVMDにおいて必要不可欠な色なんです。
※VMD=ビジュアルマーチャンダイジング、視覚的訴求による販売促進計画
ちなみに②は『捨て色』だけではなく、
『インパクトカラー』や『トレンドカラー』という呼び方もあります。
こっちのほうがイメージとしてはより分かりやすいですね。
今の時代だとコスト削減だったりで在庫を抱えたくないということもあったり、
個性的なものを求める心理や色の好みの多様化が進んでることもあって、
②の意味の『捨て色』を目にする機会が減ってきたのかなと思ったりしています。
それはそれで売り場に華が無くなって淋しいですね。
買い物に行って「誰がこんな色買うの?」って思ったら、
この『捨て色』という用語を少し思い出してみてください。
役に立つかどうかは確約できませんけど。
で、モヤモヤしていたというのは、
僕は②の意味しか記憶に無かったということです。
記憶の鍵を懸命に探して開錠しまくってました。
色彩の用語ってこんなん多いんですよね、ホント。
でも今回は良いきっかけになりました。
ボケ防止に本を読みます。
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