お家の色問題

新築、リフォーム、いろいろとありますが、

ご家族で悩んで悩んで、壁紙や床材、外壁や屋根などを決めますよね。


それで、いざ完成という段階でよく聞く感想。

「あれ、イメージと違ってないか?」

「業者さん、ホントにこれですか?」


なんでこんなことが起こるかというと、

いろいろと致し方ない理由があります。


まず、素材を選ぶ際にはカタログやサンプルを参考にしますよね。

そこで質感や色味を実際に見て、触れて、決めていきます。

ただ、実際に使うのは大きな面積ですよね。


サンプルの小さな面積で見る色と、

実際に大きな面積で取り入れた色、

同じ色なのに目の錯覚で違って見えるんです。

明るい色だと、より明るく、より鮮やかに見えたり、

暗い色だと、より暗く、よりくすんだ感じになります。


これ、『色の面積効果』ってやつなんです。

錯視という目の錯覚が引き起こす現象です。

どうしようもないんです。

実際にサンプルを並べてみると全く同じなんですよね。

腑に落ちないけど納得するしかない、そんな心境もあるかと。


良い業者さんなら、そのことを事前にしっかりと説明してくれます。

なんなら同じサンプルを複数用意して、もう少し大きな面積で見せてくれたりします。

選ぶ側もこの現象を予備知識として持っていれば良いかと思います。


外壁で言うと、この面積効果もそうなんですが、

もうひとつ厄介なことがあります。

それは『ご近所さんの外壁の色』です。


例えば明るめのグレーを選んだとしましょう。

お隣さんは真っ白な壁です。

このお隣さんと同時に見れば、明るめのグレーが暗く感じて見えるんですよね。

逆に今流行りの黒い壁がお隣だと、より明るく、白に近く見えてしまいます。


これが『色の対比』という現象です。

明度対比、彩度対比、色相対比などいろいろありますが、

ブログの過去記事に詳細は書いてますので探してみてください。


1軒の家としてではなく、近隣環境の中での存在として見てしまうので、

これもどうしようもなく仕方ないことでもあります。

外壁や屋根などの外観に関することは、

選ぶ前に周辺環境の色も下調べしておくのも良いでしょうね。


そうそう、逆のパターンもありますね。

お隣さんが新築、もしくは外壁をやり直したら急に自分の家の見え方が変わったって。

これはもうどうしようもないです。

諦めるか自分の家もやり直すか、二者択一です。


外壁を例に出しましたけど、内装でもよくあります。

明るめの床材を選んだのに実際は暗く見えるとか、

家具を入れたら壁の色が薄く見えるとか。


人間の目って常にいろんな情報を収集して判別してます。

その中で色の比較っていうのも起きているわけでして、

以前にも書きましたが、同じ色でも背景が変わると別の色に感じるものです。

それはごく当たり前の感覚です。

どんなに優秀な目とセンスを持っていても錯覚によるズレは発生します。

それを楽しめると良いんですけどね。


決して安くはないお金を使うので神経質にもなると思いますが、

これからお考えの方は参考にしていただければ嬉しいです。

楽色時間

色を楽しみ、色で楽になる。 気付けなかった自分に、 色で出会ってみませんか?

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